拡散モデルとは?
拡散モデル(Diffusion Model)は、画像生成AIの中核となっている生成技術です。Stable DiffusionやMidjourney、動画生成AIの多くがこの方式を使っています。Stable Diffusionの名前に入っている「Diffusion」が、まさにこの拡散モデルのことです。
しくみ:ノイズから絵を彫り出す
拡散モデルの学習では、まずきれいな画像に少しずつノイズ(砂嵐のような乱れ)を加えていき、完全なノイズになるまでの過程をAIに観察させます。そして「ノイズを一段階取り除くとどうなるか」を逆向きに学習します。
生成するときはこの逆再生を行います。真っさらなノイズ画像から出発し、「プロンプトの指示に合う画像に近づくように」少しずつノイズを取り除いていくと、数十ステップののちに絵が浮かび上がります。彫刻家が石の塊から像を彫り出す姿に、よくたとえられます。
なぜ主流になった?
以前の主流だった生成技術(GAN)は、高品質ですが学習が不安定という弱点がありました。拡散モデルは学習が安定していて、多様な画像を高品質に作れるため、2022年ごろから一気に主流となり、画像生成AIブームの技術的な立役者になりました。文章の指示と組み合わせる仕組み(テキストからの条件付け)との相性が良かったことも大きな要因です。
知っておくと役立つ場面
画像生成AIで「ステップ数」という設定を見かけたら、それはノイズ除去を何段階かけて行うかという、拡散モデル由来の項目です。また「なぜ生成のたびに違う絵が出るのか」も、出発点のノイズが毎回ランダムだからと理解できます。しくみを知ると、画像生成AIの設定や挙動がぐっと腑に落ちるはずです。
なお、動画生成AIや音楽生成AIにも拡散モデルの考え方は応用されています。「ノイズから作品を彫り出す」という発想が、画像を超えて生成AI全体の基盤技術のひとつになっているのです。