GANとは?
GAN(Generative Adversarial Network:敵対的生成ネットワーク)は、2014年に発表された生成AIの技術です。「生成役」と「鑑定役」という2つのニューラルネットワークを競わせながら学習させる、ユニークな仕組みで知られています。拡散モデルが主流になる前の画像生成をリードした、生成AI史の重要な技術です。
偽札職人と鑑定士のいたちごっこ
GANの仕組みは、よく偽札職人と鑑定士にたとえられます。生成役(偽札職人)は本物そっくりのデータを作ろうとし、鑑定役(鑑定士)は本物か偽物かを見破ろうとします。互いに負けまいと腕を磨き合ううちに、生成役は「鑑定士でも見破れない本物級」のデータを作れるようになる——この競争こそがGANの学習です。
何を生み出した?
- 実在しない人物の顔写真の生成(「この顔の人は存在しません」で話題に)
- 写真の高解像度化、白黒写真のカラー化
- 画風変換(写真をゴッホ風に、など)
- ディープフェイク技術の土台
2010年代後半の「AIが作った顔が本物と見分けがつかない」という衝撃は、主にGANによるものでした。
いまはどういう位置づけ?
画像生成の主役の座は、学習が安定していて多様な絵を作れる拡散モデルに譲りました。ただしGANは生成が高速という利点があり、画像の部分修正や高解像度化などでは現役です。何より「AI同士を competitor として競わせる」という発想は、その後のAI研究に大きな影響を残しました。生成AIの歴史を語るうえで欠かせない、教養として知っておきたい技術です。
なお、GANを生んだイアン・グッドフェロー氏が「同僚との議論から一晩でアイデアを実装した」という逸話は、AI研究史の有名なエピソードとして語り継がれています。
「Generative Adversarial Network」の頭文字で、日本語では「敵対的生成ネットワーク」。生成AIという言葉が広まる前から「生成(Generative)」を冠していた、いわば生成AIの先駆けでもあります。