知識カットオフとは?
知識カットオフ(Knowledge Cutoff)とは、AIモデルが学習したデータの「ここまで」という時点の区切りのことです。たとえばカットオフが2025年初頭のモデルは、それ以降に起きた出来事、発売された製品、変わった制度を基本的に知りません。LLMの性質を理解するうえで、ハルシネーションと並んで最初に知っておきたい概念です。
なぜ区切りがある?
LLMは、ある時点までに集めた大量のデータで事前学習されます。学習には数か月単位の時間と莫大な費用がかかるため、「常に最新の知識を学び続ける」ことはできません。学習を締め切った日がそのままカットオフになります。モデルが新しい世代に更新されると、カットオフも新しくなります。
どんな失敗が起きやすい?
- 最新の製品・サービスについて、古い情報や存在しない情報を答える
- 法律・制度・料金など、変わりやすい情報が学習時点のまま
- 「今日の」「最近の」を聞いても、カットオフ以前の感覚で答えてしまう
しかも、AIは自分の知識が古いことに気づかず、自信を持って答えることがあります。ここでハルシネーションと組み合わさると厄介です。
対策:検索機能とRAG
最近のAIサービスの多くはWeb検索機能を持ち、必要に応じて最新情報を調べてから答えられます。企業システムでは、最新の社内資料を検索して参照させるRAGが定番の対策です。使う側のコツはシンプルで、「時事性のある質問では、検索機能つきのモードを使う」「重要な最新情報は出典を確認する」。この2つを守るだけで、カットオフによる失敗はほとんど防げます。
ちなみに、本サイトの用語記事にも「内容確認日」を設けています。AIに限らず、情報には「いつ時点のものか」という賞味期限がある——カットオフはそのことを思い出させてくれる概念でもあります。
なお、各モデルのカットオフ時期は公式のモデル情報で公開されていることが多く、「このAIはいつまでの世界を知っているのか」を一度確認しておくと、回答の鮮度を判断する感覚がつかめます。