Claude Coworkで「仕事のやり方」を教えられる。会話からSkillsを作る新機能とは
2026年7月22日(日本時間)、AnthropicはClaudeの公式Xアカウントで、CoworkからClaudeへ「自分の仕事のやり方」を教え、再利用可能なSkillsとしてまとめる使い方を紹介しました。
今回のポイントは、Skillsという仕組みそのものが初めて登場したことではありません。これまでも独自のSkillを作成してアップロードできましたが、フォルダ構成やSKILL.mdを自分で用意する方法は、初めて使う人には少し技術的でした。
新しく前面に出てきたのは、Claudeとの会話だけでSkillを作る「Skill Creator」です。普段の手順、良い成果物の例、守ってほしい基準を説明すると、Claudeが内容を整理し、次回以降も使える形へ組み立てます。
Claude Skillsとは?
Skillsは、特定の仕事をどう進めるかをClaudeへ教えるための、再利用可能な手順書です。
たとえば「社内報告書はこの順番で書く」「記事を公開する前に、このチェック項目を確認する」「表計算ではこの列を基準に集計する」といった方法をまとめておけます。次に似た仕事を依頼したとき、Claudeは内容に合うSkillを見つけ、必要な指示を読み込んで使います。
公式資料によると、Skillには次のようなものをまとめられます。
- 作業手順や判断基準を書いた指示
- テンプレート、見本、ブランドガイドなどの参考資料
- 同じ処理を確実に行うためのスクリプト
単なる長いプロンプトではなく、説明、資料、処理を一つの作業パッケージとして扱えるのが特徴です。
会話からSkillを作れるようになった
公式チュートリアルでは、Skillを作る流れを次のように案内しています。
- Claudeへ「○○用のSkillを作りたい」と伝える
- 普段使っているテンプレートや良い作例があれば共有する
- Claudeからの質問に答え、判断基準や利用場面を具体化する
- ClaudeがSkill Creatorを使い、SKILL.mdや必要な資料を構成する
- 完成したSkillを保存し、実際の仕事で試して調整する
つまり、利用者がSkillのファイル形式を先に覚える必要はありません。「どんなときに使いたいか」「何をもって良い成果とするか」を会話で説明することに集中できます。
特に便利なのは、過去のやり取りから良かった方法を取り出せることです。一度うまくいった依頼について、「いまの進め方を次回も使えるSkillにして」と頼めば、その会話を材料に再利用可能な手順へ変えられます。
毎回のプロンプト、Projects、Skillsは何が違う?
Claudeへ情報を覚えてもらう方法が増えたため、用途による使い分けが重要です。
| 方法 | 向いていること |
|---|---|
| 通常のプロンプト | 一度だけの依頼や、試しながら方向を探す仕事 |
| Projects | 資料や会話が増え続ける、特定プロジェクトの背景情報 |
| グローバル指示 | 文体や出力形式など、Cowork全体へ常に適用したい基本方針 |
| Skills | 必要な場面だけ呼び出したい、繰り返し可能な手順や専門知識 |
| MCP・コネクター | 外部サービスやデータへClaudeを接続する仕組み |
たとえば記事制作なら、サイト全体の文体はグローバル指示、記事ごとの調査資料はProject、公開前チェックの順番はSkill、CMSや分析データへの接続はMCPという分け方ができます。
SkillsとMCPは競合するものではありません。MCPが「どの道具や情報へアクセスできるか」を担当し、Skillが「それを使って、どの順番で何をするか」を担当します。
最初に作るなら、結果を判断しやすい仕事がおすすめ
最初のSkillには、すでに自分なりの正解を持っている仕事が向いています。
- 議事録から決定事項と担当者を抜き出す
- 記事の表記、見出し、出典を公開前に点検する
- 毎月の報告書を決まった構成へ整える
- 画像生成用の指示を、いつもの画角や色調へそろえる
- 顧客から届いた文章を、社内テンプレートへ変換する
反対に、一度しか行わない仕事や、まだ正しい手順が固まっていない仕事を急いでSkillにすると、使いにくいルールが固定されます。まず通常の会話で何度か試し、うまくいった方法が見えてからSkillへまとめる方が安全です。
作ったら、異なる3例で試す
Skillが完成しても、一つの作例だけで判断しない方がよいでしょう。
- 想定どおりの標準的な依頼
- 情報が一部足りない依頼
- そのSkillを使うべきか迷う、少し違う依頼
この3種類で試すと、指示の不足だけでなく、関係のない場面で誤ってSkillが呼ばれないかも確認できます。ClaudeがSkillを使わない場合は、Skillの説明欄に「いつ使うか」が明確に書かれているかを見直します。
便利だからこそ、Skillの中身は確認する
Skillには指示だけでなく、スクリプトや外部パッケージを含められます。そのため、知らない人から共有されたSkillを、そのまま有効にするのは避けた方が安全です。
Anthropicも、信頼できる提供元のSkillだけを導入し、有効化前にファイル、依存関係、外部通信の指示を確認するよう案内しています。悪意ある指示によるプロンプトインジェクションや、意図しない情報送信の可能性があるためです。
自分で会話から作ったSkillでも、完成後にSKILL.mdと同梱ファイルを一度読む習慣を付けておくと安心です。社内資料や個人情報を含める場合は、共有範囲も確認します。
利用できないときに確認すること
ClaudeのHelp Centerでは、SkillsはFree、Pro、Max、Team、Enterpriseで利用でき、コード実行を有効にする必要があると案内されています。一方、Cowork自体は有料プラン向けです。また、WebやモバイルのCoworkは段階的に展開されています。
Skill CreatorやSkillsの項目が見つからない場合は、次を確認してください。
- Claudeアプリを最新版へ更新する
- SettingsのCapabilitiesでコード実行が有効か確認する
- CustomizeのSkills一覧を確認する
- Team・Enterpriseでは、組織管理者がSkillsを許可しているか確認する
公式ページによってプレビュー対象の表記が異なる場合もあるため、実際のアカウントに表示されるメニューと最新のHelp Centerを優先してください。
AIに詳しい人の設定から、仕事を知る人の設定へ
Skill Creatorで大きく変わるのは、Markdownやフォルダ構成を知っている人だけがSkillを作る状態ではなくなることです。
現場で「この順番ならうまくいく」「この条件では必ず確認する」と知っている人が、そのままClaudeへ説明できます。技術的な形式への変換はClaudeに任せ、利用者は自分の仕事の中身を教える。今回の機能は、AIを自分専用に調整する作業を、設定画面から日常会話へ近づける更新だといえます。
まずは毎週繰り返している作業を一つ選び、普段の手順と良い完成例をClaudeへ渡してみるのがよさそうです。
参考情報
- Claude公式X:Skillsの紹介投稿
- Claude:Teach Claude your way of working
- Claude:How to create a skill with Claude through conversation
- Claude Help Center:What are skills?
- Claude Help Center:Use skills in Claude
- Claude Help Center:Get started with Claude Cowork
※機能と提供状況は2026年7月22日時点で確認しています。